2016

06
24

不動産バブルはオリンピック前に“崩壊”する?

2016年、今が「ピーク」の不動産。

「オリンピック前までに不動産を買うと価格が上昇するぞ!」
報道をはじめとして巷ではよく言われている、このような不動産の“オリンピック需要”。
しかし、不動産コンサルタントの大野晃弘氏は「今がピークだ」とバッサリ切り捨てています。彼がこのように言う理由は大きく3つあります。

  1. 1. 2020年に向けての不動産価格の上昇ペースが予想よりも急激で、長くてもあと1~2年で“調整期間”の局面を迎えると予測されるから
  2. 2. 中国・台湾などの海外富裕層が日本の不動産を買っているが、海外投資家の購買需要は世界情勢や為替に大きく左右されるため、不安定だから
  3. 3. マイナス金利が導入されている現在は投資家が物件を購入しやすいが、今後一部の金融機関は不動産融資の引き締めの方向に動いているから


つまり、2016年現在は国内投資家も海外投資家も日本の不動産を購入しやすい条件がそろっているものの、その条件がいつまで続くのかという先行きが不透明なのです。

相続税増税が不動産価格の上昇を後押し?

この3つの条件に加えてさらに不動産価格の上昇を後押ししているのが「相続税の増税」です。
2015年の税制改正で相続性が増加。一見相関性のない2つの事柄がどう関係しているのでしょうか。

実は、“借金をして”不動産を購入すると、土地・建物の評価が実勢価格よりも低くなるので、相続税法上の資産評価をさげることができます。
この資産評価をさげることによる節税効果を利用して、“地主”と呼ばれる人たちが不動産を購入しているのです。
実際に、6億円の借金で不動産を購入したことによって、3億円の評価減・1.5億円の節税に成功した地主もいるというのですから驚きです。

また、不動産を購入することの魅力は「相続が終わったら売却してしまえば、現金化できる」ということ。
たしかに「もともと持っていた土地を売って資金を捻出する」という方法もありますが、代々受け継いできた土地を売るのは少し気が重いですよね。
だからこそ、離れた場所に借金して不動産を買って相続税対策をするようなのです。

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